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初のTICADアフリカ開催!ケニアのスタートアップ7選

今年、6回目を迎えるTICADは初めてのアフリカ開催として8月27・28日にケニアで開かれる。そこで、2015年に資金調達を行ったケニアに拠点をもつスタートアップを紹介する。

 

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Top fundraising rounds by Kenya-based startups in 2015

 

1. M-Kopa 資金調達額 3145万ドル

創業:2011年 

事業内容:エネルギー(ソーラー電力)

M-pesa事業を立ち上げたNick Hughesが中心となって創業した。ソーラーパネルと、LEDライトや充電器などの電化製品をセットを最初は低価格で販売し、それから使用量分と残りのセット代金を定期的にモバイルマネーを通して徴収していくというビジネスモデルで、一回に支払わなければならない値段が低いことが受け入れられ、大きく普及している。現在では、オプションとしてテレビや冷蔵庫といった電化製品の充実を図っており、これから増える中間層の電力&家電需要を一気に抑えようとしている。さらに、その支払いデータをもとに、最終的には金融サービスまで行う考えだ。

M-pesaメモ④東アフリカ初のユニコーン企業!? M-Kopa編(追記) - アフリカメモーChururu si ndo! ndo! ndo!

 

2. Angaza 資金調達額 400万ドル

創業:2010年

事業内容:エネルギー(ソーラー電力)

スタンフォード大を出て、Amazonで働いていたという経歴をもつLesley Marincolaが創業し、現在サンフランシスコとナイロビに拠点を構えている。モバイルマネーで支払うことによってソーラー電力を利用できるという点は、M-Kopaと同じと言える。しかし、Angazaは、支払われたモバイルマネーの金額に応じて電力を使用可能にするソフトウェアの開発のみを担当しているという点がM-Kopaとの違いだ。ソーラーパネルの製造業社や現地の流通業者とパートナーを組んでいるため、現地の規格の製品を作る必要がない上に、既存の流通経路を抑えることができ、事業展開をスムーズに行うことができている。その結果、アフリカ6カ国とインド、パキスタンにも進出している。

Angaza Raises $4M To Make Clean Energy Affordable For World’s Poorest | TechCrunch

 

3. BRCK 資金調達額 300万ドル

創業:2013年

事業内容:通信(Wi-Fi

高機能なポケットWi-Fiメーカー。140カ国で使用可能かつ頑丈で、使い方が簡単でバッテリーが長持ちし、そして、クラウド上で利用状況を管理することができる。創業チームは、これまでに情報収集用地図アプリケーションUshahidiを開発したり、ナイロビにあるコワーキングスペースiHubの運営に関わっていたりとアフリカスタートアップ界で経験値が高い面々である。教育分野に力を入れており、学校単位でも導入を推し進めている。

個人投資家として、M-Kopaにも出資しているスティーブ・ケースの名前もある。

This BRCK Will Revolutionize Education In Africa

アフリカの過酷な環境下でも使用可能なSIMフリーモバイルWi-Fiルータ「BRCK」 - GIGAZINE

 

 

4. Kopo Kopo 資金調達額 210万ドル

創業:2010年

事業内容:金融(商業向けマイクロローン)

中小規模小売店のためのソフトウェアサービスを提供している。主な機能としては、モバイルマネーの支払い(M-pesaを扱うことのできるSquare、というと想像しやすいだろうか)、帳簿管理、SMSマーケティングなどがある。出資VCの中にはKhoslaの新興国向けファンドも入っている。

Pando: Kopo Kopo: Building the "Square of Africa" amid terrorism, monopolists, and huge opportunity

 

5. Asoko Insight 資金調達額 135万ドル

創業:2013年

事業内容:ソフトウェア(企業データベースサービス)

現在、ケニア・ガーナ・ナイジェリアで1000社の企業情報のデータベースを運営しており、情報量としてはまだ多いとは言えないが、アフリカ版ユーザベースと言える。 

Singularity Investments backs Asoko Insight

 

6. BitPesa 資金調達額 110万ドル

創業:2013年 

事業内容:金融(ビットコイン

バイルマネーM-pesaで有名なケニアでは、新たな金融サービスとしてビットコインにも注目が集まっている。SMSを使ってビットコインの送金サービスを提供しており、仕組みはM-pesaと似ているが、手数料がかからないというのが特徴だ。(法定通貨に替えるときには手数料がある。)

アフリカ発のSMSビットコイン送金サービスBitPesaが110万ドルの資金調達を実施 | ビットコインの最新情報 BTCN|ビットコインニュース

 

7. OkHi 資金調達額 75万ドル

創業:2014年 

事業内容:ソフトウェア(位置情報サービス)

日本に生活していると想像すらできないが、世界には「住所」をもっていない人が約40億人いると言われている。「住所」は郵便や各種証明、緊急サービスなど非常に重要な情報である。そこで、OkHiはGPSデータと軒先の写真から住所データを提供するサービスを行っている。eコマースがこれから伸びると言われているアフリカにおいて、「住所」は不可欠な要素であるという点からも大きく注目されており、Googleで7年間CFOを務めたパトリック・ピシェットも投資している。

Kenyan addressing startup OkHi raises $750k funding